タイトルの通り、2009年テレビ朝日系列放映「仮面ライダーディケイド」を私的にリ・イマジネーションしようというブログです。 同番組、並びスタッフ、石ノ森プロ、東映、バンダイとは一切関係ありません。
2011年2月22日火曜日
3 ファイズの世界 -夢の狩人- その1
「助けて!タクミ、どこいったの!」
深夜の学園。ここはセントスマートブレインハイスクール。
逃げ惑う長いストレートの髪の少女がいる。今年高等科1年に上がったばかりの友田由里が、なぜか同じ学園の純白を基調とした制服のもう一1人の少女ユカリに、これ以上ないほど怯え逃げ惑っている。
「あの、お2人共ウチの生徒さん?こんな夜中になにを。」
由里とユカリの間に割って入るのは、振り上げ気味にライトを持つ警備員。
「私・・・・・この学校には入れなかったの・・・、」
ユカリはまるで放心したようにあらぬ方向に視線を向けてその細い足で由里に近づこうとする。
「逃げて!危ないの、早く逃げて!」
友田由里は奇妙である。警備員は本質的に多少の護身の心得ももっており、手にするライトの長さはいつでも警棒に転じる事ができる。その屈強な40男を捕まえて、千鳥足で近づいてくる少女から逃げろという。由里の身の安全の保護を依頼するのが本当ではないか。
「入れない?どうして、」
警備員は明かりをユカリに向けて立ち尽くしている。まるで状況が掴めていない。
「だって、」ユカリの顔に別の像が浮かぶ。その表情は虚ろから素朴な笑みに変わった。「オルフェノクだから。」
顔の像が全身の像の揺らぎとなり、ユカリの像が陽炎のように消え、揺らぎだった像が実体になり入れ替わる。
由里が悲鳴をあげ、警備員もおよび腰で震えながらライトを投げつけて逃亡を図る。
「だから、逃げてって」
少女から変貌した『バタフライオルフェノク』の指先が触手となって伸びる。由里の頬を掠め、背を向けている警備員の心臓を貫通、その体内で心臓だけが焼き尽くされ、白目を剥いて倒れる警備員の肉体はたちまち灰となって立体を失い、煙を吹いて崩れ去る。
「あぁぁぁぁ」
絶叫し、学園の敷き詰められた白いタイルの上に倒れ込む由里。もはや数秒後には手に塗れた同じ灰の運命となる。
『エクシード チャージ』
紅い光芒が闇夜に投下される、
それはまるで開き掛けの傘、光で構成された紡錘状の杭が、オルフェノク斜め頭上より振ってくる、
やぁぁぁぁぁぁぁぁ!
光の杭と同じ方向から蹴撃の構えで降下してくる1つの影、
「私はなにも!」
バタフライは杭を受け止め踏ん張り、踏ん張るが故にその場に抑止される。死を直覚したのか、バタフライの見た影が降下してくる様は、奇妙な程スローモーだった。
やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
影がオルフェノクの肉体をすり抜けていく。 直後は5体無事なオルフェノク、振り返り影に向かって手を伸ばす、オルフェノクの内側より紅い閃光が発し、熱量を帯びたエネルギーが四散、オルフェノクの像と折り重なってΦのマークが浮かぶ、像が消え、残った人の形をした灰が立体を失って崩れていく。
「ファイズ・・・・」
黒い影に紅い光芒が人のラインを象っている。由里はその者の名をファイズ、『仮面ライダー555』と読んだ。
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