タイトルの通り、2009年テレビ朝日系列放映「仮面ライダーディケイド」を私的にリ・イマジネーションしようというブログです。 同番組、並びスタッフ、石ノ森プロ、東映、バンダイとは一切関係ありません。
2011年2月22日火曜日
3 ファイズの世界 -夢の狩人- その9
「ディケイド、今日こそおまえを、」
そのコートを網の外から傍観する1人のみすぼらしい男がいた。みすぼらしいと言えば鳴滝以外無い。猛り狂ったように何かを為そうとしたが、それはもはや永久に為す事は無い。
背後から音も無く駆けてくる青年、
跳躍、
鳴滝頭上で宙を前転、
立ち塞がった時、ようやく鳴滝が気づいた。
「海東大樹・・・・」
たじろぐ鳴滝だった。
「やぁ、」海東は指先で銃を作って鳴滝に向ける。「鳴滝さんじゃありませんか。」
その声はあえて爽やかだ。
「君は・・・」
巨大な校舎は、いつも日差しを遮って学園に巨大な影を作る。鳴滝も海東も日の光の下にいない。
「貴方も、ボクの邪魔をするつもりじゃないでしょうね?」
海東は鳴滝と横並びする。
「君の恐ろしさは知っている。止めておこう。」
やや背後に回って鳴滝の視界から外れる。
振り返る鳴滝。
既に背後に人の姿は無い。
「ねえ、変な奴でしょ。」
その代わりというべきなのかなんなのか、一匹の白いコウモリのような、ワッペンのようなものが飛んできた。ユウスケをクウガの世界から転移させたあのキバーラだった。この登場は決して偶然ではない。
掴む鳴滝。
「奴め、何を考えている・・・」
周囲を見渡し慌てて藻掻くキバーラを、コートのポケットに押し込んだ。
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