マシンディケイダーがひとりでにやってきて、士の前に回り込む。
「さて、ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な。」
指を路上の左右交互に何度か向けた士は、一方に進路を決めて、ディケイダーを走らせた。路上には灰の山だけが残り、噴水が起こす大気の流れと音が静けさを演出する。
「合点がいった。彼がオルフェノクなら、もはやファイズを怖れる事はない。」
汚れの全く無いブラウンの革靴が灰に足跡をつけていく。
灰が動く。ムラも足跡も瞬時に消えて無くなり、1つの山へ集合し、山は人の像へ変貌していく。
「ファイズめ。同胞を殺すなど、なんという人でなしだ。学園長。」
そして百瀬が再び復活する。
革靴の男は端正な髭を今でも撫でている華村学園長だった。
「裏切り者には、死よりも恐ろしい罰を与えなければならない。問題はファイズとあの力だ。」
「大した事は無いですよ。たださっきは焦りました。貴方と同じかとね。」
「ファイズは今日を以て地上から消える。救世主伝説もここまでだ。」
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