「旅に?」
八代と再びトレーラーで対面したユウスケは、もう迷ってはいなかった。
「はい。オレ、何か分からないんですけど、オレに出来る事、それを探す旅の途中でした。ここで立ち止まってたら、」
頭の中も八代、眼前にも八代、恥ずかし過ぎてとりあえず眼前から目を背けるユウスケ。
「ここで立ち止まったら怒られちゃうんですよ。約束した人に。」
ユウスケのすがすがしい顔を見て、さすがに八代でももう止められない事が分かっている。
「分かった。」
これ以上言うとこの子を傷つけてしまう事が、八代にも分かった。
「この世界は、この世界の仮面ライダーが護る。」
唐突にトレーラーの扉を開いて見えるのは、30センチ径のボールをそれぞれ抱えたショウイチと、士だった。
「ショウイチ、」
八代の足が動こうとして逆に一歩引く。
「さあ」
ユウスケはそんな八代の手を強引に引っ張って、ショウイチのボールを引ったくり士に渡す。そうしておいてショウイチと八代の手と手を繋いだ。
「恥ずかしい奴だ。」
士は士でボール2つを適当に計器並んだデスクの上に置き、3人に2眼のシャッターを切った。
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