2011年6月11日土曜日

4 アギト・電王の世界 -魂のトルネード- その40








「旅に?」

 八代と再びトレーラーで対面したユウスケは、もう迷ってはいなかった。

「はい。オレ、何か分からないんですけど、オレに出来る事、それを探す旅の途中でした。ここで立ち止まってたら、」

 頭の中も八代、眼前にも八代、恥ずかし過ぎてとりあえず眼前から目を背けるユウスケ。

「ここで立ち止まったら怒られちゃうんですよ。約束した人に。」

 ユウスケのすがすがしい顔を見て、さすがに八代でももう止められない事が分かっている。

「分かった。」

 これ以上言うとこの子を傷つけてしまう事が、八代にも分かった。

「この世界は、この世界の仮面ライダーが護る。」

 唐突にトレーラーの扉を開いて見えるのは、30センチ径のボールをそれぞれ抱えたショウイチと、士だった。

「ショウイチ、」

 八代の足が動こうとして逆に一歩引く。

「さあ」

 ユウスケはそんな八代の手を強引に引っ張って、ショウイチのボールを引ったくり士に渡す。そうしておいてショウイチと八代の手と手を繋いだ。

「恥ずかしい奴だ。」

 士は士でボール2つを適当に計器並んだデスクの上に置き、3人に2眼のシャッターを切った。

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