2011年6月11日土曜日

4 アギト・電王の世界 -魂のトルネード- その35








「士、行った!」

 そのG3-Xの短銃威嚇を頭上で躱した風のエルが、突破しディケイドに激突、

「ぐぉ」

 そのままディケイドをぶら下げ宙へ持っていく。

「油断しているからだ」

 といいつつアギト、地のエルに組み付かれる。

「なんとセンスの悪い、」

「おめえ、リョウタロウのセンスの悪さ、なめんなぁよぉ!」

 電王はデンガッシャーを肩に担いで水のエル=バッファローロードと対峙している。

「みんなの迷惑になりたいなら、するがいいさ。そうなる前に、みんながいなくなれば、君達の行動は全部ムダになる。悔しがればいいんだ。」

 少年が両手を軽く拡げ、宙に舞い上がりなにやら瞑想を始める。G3-Xは対空迎撃するが、どういう訳か少年の手前でことごとく弾かれる。

「くそ」

 G3-Xは照準を風のエルに切り替える。点にしか見えない程高々度に上がった風のエル、そうして抱えたディケイドを放逐。

「ユウスケ!」

 背中から落下するディケイドが邪魔になって風のエルが死角になる。G3-Xは短銃GM01を破棄し、両腕を空けた。

「士!」

 落下したディケイドをキャッチするG3-X、その衝撃で手と言わず足と言わず駆動系全てが悲鳴を上げ強制冷却剤が煙りを吹いた。

「アネさんの、G3-Xを壊すつもりか。」

 ディケイドは支えられ地に足を付けた途端に、G3を払い除ける。

「感謝しまくりだな士っ。」

 G3-Xは続いて急降下してくる風のエルに、ガトリング砲の照準を取る。

「それよりユウスケ、さっきのミサイルあれまだあるか、おい、聞いているのかユウスケ!」

「・・・・・、はい八代警部。士、ランチャーの信管は姐さんが手動でやる。」

 向かってくる風のエルにGX-05を構えるG3。

「さすが天才は話が早い。」

 発射される黄色い弾頭、
 上昇し風のエル至近、
 宙にあって直撃を躱す風のエル、
 近接爆破、

「グォ」

 着弾する事無く爆破するランチャーに、宙を錐揉みする風のエル、だが即座に姿勢を制御し、直下ディケイドを捜す。
 捜すが見つからない風のエル、

「上だ。」

『ATTACK RIDE SLASH』

 既に風のエルより上空に跳躍し、ライドブッカーを振り下ろすディケイド、

 叩き付ける、

「うぉぉぉぉ」

 墜落する風のエルに、G3-Xの乱射が注がれる。

 爆破、
 四散する風のエル、
 着地するディケイド、

「よくやったなユウスケ。」

 肩に手を置くG3-X。

「おまえ、デレ過ぎだ。」

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