2013年3月3日日曜日

6 スカルの世界 -Rの立つ世界- 第三部 その3





「大学付属病院になったのは1ヶ月前だがな。」

 バックルからメモリを抜いて、腰のスロットへ差す、

『スカル マキシマムドライブ』

 その胸の肋模様が開いて、胸骨の部位から魂が抜け出たような骸が、朧気に燐火をあげて上空高く浮遊していく。

「とぉ」

 帽子の角度を直し、泰然自若な叫びと共に跳躍するスカル、
 スカルの眼下には、見上げ吠えるスパイダーとバットの両ドーパント、
 宙にあって巨大な骸と並ぶスカル、
 その絞り凝縮した腰からヒップの捻りだけの回し蹴りを骸へ、
 ドーパントの頭上60度から衝突する骸、燐火が2匹の怪物を包んで、断末魔を上がった、
 2匹の体内からメモリが射出すると同時に収まる燐火、

「よう、刃野警部補、道で寝転がっていると、風邪を引くぞ。」

 既に荘吉は変身を解いて、メモリに支配された2人の人間を起き上がらせていた。

「ックション!そうかぁ、このだるさは風邪かぁ、ナルミの旦那じゃねえかっ」

「そっちの若いのも、後で病院に行け」

 自分の名を腹の底から叫ぶバットだった若い刑事に、既に背を向ける荘吉。
 彼の腰に収めたスタッグフォンがその時震動した。

「アキコ、・・・・・若造が、言いつけを守らなかったな、簡単な足止めに引っ掛かりやがって。」





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