「大学付属病院になったのは1ヶ月前だがな。」
バックルからメモリを抜いて、腰のスロットへ差す、
『スカル マキシマムドライブ』
その胸の肋模様が開いて、胸骨の部位から魂が抜け出たような骸が、朧気に燐火をあげて上空高く浮遊していく。
「とぉ」
帽子の角度を直し、泰然自若な叫びと共に跳躍するスカル、
スカルの眼下には、見上げ吠えるスパイダーとバットの両ドーパント、
宙にあって巨大な骸と並ぶスカル、
その絞り凝縮した腰からヒップの捻りだけの回し蹴りを骸へ、
ドーパントの頭上60度から衝突する骸、燐火が2匹の怪物を包んで、断末魔を上がった、
2匹の体内からメモリが射出すると同時に収まる燐火、
「よう、刃野警部補、道で寝転がっていると、風邪を引くぞ。」
既に荘吉は変身を解いて、メモリに支配された2人の人間を起き上がらせていた。
「ックション!そうかぁ、このだるさは風邪かぁ、ナルミの旦那じゃねえかっ」
「そっちの若いのも、後で病院に行け」
自分の名を腹の底から叫ぶバットだった若い刑事に、既に背を向ける荘吉。
彼の腰に収めたスタッグフォンがその時震動した。
「アキコ、・・・・・若造が、言いつけを守らなかったな、簡単な足止めに引っ掛かりやがって。」
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